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胃腸・肛門の痛みや不調

機能性ディスペプシア

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胃に異常がなくても胃痛などの症状が現れる、機能性ディスペプシア。病名がついたのは近年という新しい病気ですが、現代社会につきもののストレスが大きな原因のため、かかる人も多い注目の病気です。症状や対策を、赤坂胃腸クリニックの村田博司院長に伺いました。

原因と症状

胃に異常がなくても起こる病気

「機能性ディスペプシア(FD:functional- dyspepsia)」は、胃に炎症や潰瘍などの異常がないにもかかわらず、胃痛や胃もたれといった胃の不快症状を起こす病気です。ちなみに「ディスペプシア」とは、消化不良を意味するギリシャ語が語源で、消化器のさまざまな症状に広く使われてきた言葉です。
機能性ディスペプシアは、2013年に正式な診断名として認可された、いわば新しい病気。従来は神経性胃炎やストレス性胃炎などといわれていたものですが、実際には炎症を起こしていないケースもあることから、機能性ディスペプシアという新しい病気の概念が生まれました。

ストレスや食生活の乱れが原因

機能性ディスペプシアは、胃が十分に働かないことで食べたものをスムーズに十二指腸に送れなかったり、胃酸過多の状態になったりするのが主な原因です。
こうした胃の機能低下や異常をもたらすのが、ストレスです。胃はストレスの影響を受けやすい器官なのです。
ストレスのほか、睡眠不足や不規則な生活、過労も原因となります。食生活の影響も大きく、脂っこい食品や激辛食品、過食、早食いなども胃に大きな負担をかけます。

食後の胃もたれなどが主な症状

主な症状は食後の胃もたれ、少し食べただけでお腹がいっぱいだと感じる「早期満腹感」、みぞおちの痛み、みぞおちの焼ける感覚などがあります。
器質的な異常がないことに加え、これらのうち少なくとも1つ以上の症状が6カ月以上前からあり、3カ月以上継続していることが、機能性ディスペプシアのひとつの目安になりますが、個人差があります。

治療法とセルフケア

薬で胃の機能を高める

機能性ディスペプシアは、胃の運動機能が低下している状態です。治療薬には、消化管の運動機能を改善する薬や、胃酸の分泌を抑制する薬などが用いられます。気になる症状があれば医師と相談の上、適切な治療を受けるようにしましょう。

食生活で胃に負担をかけない

セルフケアでは、胃に負担をかけない食事をすることが大事です。辛い食品など刺激の強いものや、脂肪分の多い食品をなるべく避けましょう。食事はできるだけ決まった時間に摂り、よく噛んで、ゆっくり食べて、腹八分目を守ること。また、就寝直前の飲食は避けましょう。タバコはやめて、アルコールも摂りすぎないように注意してください。

運動などでストレスの軽減を

日常生活では、ストレスの軽減に努めます。ストレスを完全に取り去ることは難しいですが、運動やカラオケなど健全な方法で解消する努力をしましょう。
運動は胃の働きを高める作用も期待できます。ウォーキングなどの軽い運動でいいので、体を動かす習慣をつけてください。
過労も大敵。十分な睡眠時間をキープし、それでも体調がすぐれないときは無理をしないことです。

定期健診を受けることが大事

機能性ディスペプシアに限りませんが、病気は未然に防ぐことが大事です。症状がなくても、40歳以上であれば、年に1回は胃腸の検査を受けることをおすすめします。自治体の健診などを利用してチェックしましょう。また、胃に不快な症状があり、しばらくしても改善しなければ、医療機関を受診してください。

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