睡眠・休息・メンタルケア
「寝る前ストレッチ」で快眠に
監修/白濱龍太郎先生(RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長、医学博士)
疲れているのになかなか寝つけない――そんなときにオススメなのが、快眠をもたらすストレッチです。よく眠れない原因は、自律神経が優位な状態だったり、、入眠に最適な体温になっていないなどの理由があります。体の環境を整えて、心地よい眠りに導く3つのストレッチをご紹介します。
夜の3分でリラックスモードに
気持ちよくス~ッと眠りにつくためには、2つの条件があります。
ひとつは、自律神経のバランスが整っていること。眠るときには、体をリラックスモードにする「副交感神経」が優位になっていることが必要です。
もうひとつは「深部体温」。私たちの体は、内臓のある深部の体温が上がった状態から下がっていくときに、眠気が起こるようになっています。寝る前に、この体温の上下がスムーズに訪れることが必要です。
しかし、現代人はストレスや生活習慣が原因で、気持ちよく眠れるための体のバランスが崩れている人が多いのです。
そこで、有効なのが、ご紹介する3つのストレッチです。夕方以降の、入浴時、就寝前、布団に入ってから3回のタイミングで行うことにより、少しずつリラックスモードに切り替えていくのです。それぞれ1分、計3分でできるので、忙しい方でも大丈夫。ぜひ、寝る前に取り入れてみてください。
1 首もみストレッチ
お風呂で首の後ろをゆるめます。首の後ろは血管が集まっているので、ここを温めてほぐすことで、効率的に血行が良くなり、深部体温も上がることに。このタイミングで上げておくと、寝るときに下がりやすくなります。コリがほぐれて、リラックスする効果も。
①湯船に首を沈めて浸かる。シャワーのときは、シャワーヘッドを固定して、少し熱めのお湯をうなじにあてる。
②親指以外の指を組み、うなじの横のくぼみに親指を当て、手をゆっくり上下に動かして首すじをほぐす。強く行うと逆効果なので、指を優しく動かして。②を1分間ほど行う。
2 腕回しストレッチ
寝る準備を整えて寝室へ。照明を消したら、腕を回したり伸ばしたりして、体をゆるめます。自律神経をリラックスさせると共に、少し深部体温を上げることで、布団に入ったとき、一気に下がりやすくなります。
①腕を曲げ、脇を開く。体の横にあるひじを上にあげ、そのまま後ろに向かって大きくゆっくりと回していく。肩甲骨を寄せるようなイメージで。
②ひじを体の前まで回して、手を組み、返すようにしながら前方に腕を伸ばす。その後、その腕を頭の上まで持ち上げてぐっと伸ばし、2~3秒キープしてから下ろす。①~②を1分間で5~6回繰り返す。
3 足首曲げ深呼吸
最後に、布団に入ってから足首の曲げ伸ばしを行ないます。足の血行を良くすることで熱が放散され、深部体温が下がりやすくなります。また、深呼吸により副交感神経が優位になってリラックス。ほどなくして心地よい眠りが訪れるはずです。
①3秒ほどかけて鼻からゆっくりと息を吸いながら、両足首を手前に起こす。
②口をすぼめ、3~5秒ほどかけて口から息を吐きながら、両足首を元の位置に戻す。このとき、息を吐ききると同時に、ふくらはぎと足首から力を抜く。①~②を1分間で5~6回繰り返す。
このストレッチを寝る前の習慣にすると、「これから眠るんだ」というスイッチになり、条件反射でさらに眠りやすくなります。すると、出張先や旅行先でも簡単に、ス~ッと入眠できるように。ぜひ試してみてください。