????

睡眠・休息・メンタルケア

仕事中のイライラ・モヤモヤを撃退!ストレス解消法

印刷する

監修/亀田高志先生(株式会社健康企業代表・医師)

多かれ少なかれ、誰もが感じているストレス。新型コロナウイルス感染症対策によるテレワークやステイホームによって、ストレスが倍増したという方もいるかもしれません。思い切ったストレス解消法はなかなか気軽にできるものではありませんが、放置しておくと心にも体にも悪い影響があります。医師で、労働衛生コンサルタントとしても国内外で健康管理や危機管理等にあたっている亀田高志先生に、ストレス対策の考え方について伺いました。

仕事の現場はストレスの原因がいっぱい!

■職業生活における強いストレス等の原因

出典:平成30年「労働安全衛生調査(実態調査)」

働く人の約6割が、強いストレスを抱えているという調査結果*があります。仕事の責任が両肩に重くのしかかることもあれば、残業が続く日もあるでしょう。上司や同僚、取引先など、職場の人間関係も大きな原因となります。

*出典:平成30年労働安全衛生調査(18p)https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_gaikyo.pdf

新型コロナウイルス感染症対策の影響もあります。テレワークが一気に広まりましたが、テレワークに必要な就業規則や労働契約、インフラや設備など、しかるべき準備を整えられないまま導入した会社は少なくありません。テレワーク中はトイレにも行けないといった、過剰な勤怠管理も起きています。出社して仕事をするのが習慣だった人は、パソコンの画面越しでしかコミュニケーションできないことで、ストレスを感じることもあるでしょう。

仕事に限らず、ストレスは生活全般にかかわります。テレワークをするなかで家族や家庭の問題に気付き、それらが積み重なって、ストレスが雪だるま式に大きくなることもあります。

ストレスは、メンタル面に悪い影響を与え、それが続くと、仕事が進まない、頭が回らない、眠れない、食べられない、ちゃんと起きられないなど、日常生活や仕事に支障が出てくることもあります。場合によっては専門家への相談も必要になるでしょう。そうなる前に自分の健康状態の変化に気付けるように、朝起きたときや仕事を始めるとき、夜寝るときなど、自分が元気かどうか自分自身に問いかけてみましょう。

できるだけ簡単にストレスを解消したい!

ストレスを解消し、メンタルの不調を抱えないためにはどうすればいいのでしょうか。

それは、「言いたいことが言えること」。なんといってもこれが大切です。

人間は言いたいことを言いたい動物なので、言いたいことが言える場所であれば、家庭でも学校でも職場でも、大体ニコニコしていられます。しかし、働く人にとって上司は、言いたいことを何でも言える相手でしょうか?また、親子でも言わない、夫婦でも言えないという話もよく聞きます。

言いたいことが言えていれば、少なくとも自分の気持ちをごまかさなくてよくなります。みんなが言いたいことを言い合えば、全員の願いはかなわなくても、まあまあ賛成できたり、何かが改善できたり……言いたいことを言うことで、メンタル面ではすっきりすることが多いのです。

【お手軽ストレス解消法】

●愚痴をこぼす
ストレス解消で一番いいのは、誰かに愚痴をこぼすこと。話したからといって問題が解決するとは限りませんが、聞いてもらうことですっきりした、という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

●小さな楽しみを持つ
手軽で簡単にできる、自分にとっての小さな楽しみを準備しておきましょう。甘いものが好きならアイスクリームやちょっとしたスイーツを食べる、コーヒーや紅茶、緑茶などの飲み物を丁寧に入れて飲む、気に入っている絵画や写真を眺める、好きな音楽を聞く、映像を見るなど、なんでも構いません。自分が楽しくできて、苦痛が少なく、お金がかかりすぎないものを選ぶと手軽に続けられます。

●一緒に遊ぶ
一人で趣味に没頭するのもいいですが、ペットと遊んだり、同じ趣味を持つ仲間たちと、屋外でのスポーツやレジャー、ゲームを楽しんだりするのもおすすめです。

ストレス解消になりそうでならないもの

ストレス解消にお酒を飲む、という人は少なくないでしょう。気持ちは分かりますが、飲みすぎはメンタルを悪くしますのでおすすめできません。また、友達とのコミュニケーションを楽しみたいとしても、スマホを夜遅くまで見ていると、睡眠の質が低下し、眠る時間も短くなってしまいます。体を休めるためにぼーっとするのもひとつの方法ですが、最近はぼーっとするのが苦手な人も多いように感じられます。

心と体を休めるには、早く寝て良い睡眠をとる、日常から離れて遊ぶ、あるいは人と交流する、趣味の世界に没頭する、といった時間を設けることが大切なのです。きちんと休めていれば、気分は上向きになるはず。そうならないのであれば、休み方に問題があるのかもしれません。

いずれにしても、ストレスに感じていることを、一人で抱え込まないことが大切です。自分で手に負えない問題は専門家に相談しましょう。

監修者プロフィール
亀田高志先生(株式会社健康企業代表・医師)

【亀田高志(かめだ たかし)先生プロフィール】

株式会社健康企業代表・医師
労働衛生コンサルタント、日本内科学会認定内科医、日本医師会認定産業医。
1991年産業医科大学医学部卒。国内外で専属産業医を務め、産業医科大学講師を経て、2006年に産業医科大学設立による(株)産業医大ソリューションズの創業社長に。2016年の退任後は、人事担当者や専門家に向けたメンタルヘルスや健康確保対策の普及・啓発活動に注力。社会保険労務士がメンタルヘルス対策を学ぶ健康企業推進研究会®を主宰。著書は『【図解】新型コロナウイルス 職場の対策マニュアル』『【図解】新型コロナウイルス メンタルヘルス対策』(共にエクスナレッジ)、『健康診断という「病」』(日経プレミアシリーズ)など多数。

この記事はお役に立ちましたか?

関連記事はこちら 関連記事はこちら

クリップ一覧に保存しました。