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カンタン健康生活習慣

夏バテ「しない」人になろう!涼しく快適に暮らすコツ

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監修/濱木珠恵先生(ナビタスクリニック新宿院長)

毎日蒸し暑い日が続くと、だるいし、食欲は出ないし、夜はなかなか眠れないし……。すっきり元気にさわやかに過ごすにはどうすればいいのかな?

梅雨のジメジメした蒸し暑さや夏の猛暑に体がまいってしまった、という人も多いことでしょう。冷房の効いた屋内と、強い日差しが照りつける屋外との行き来で、体の調子を崩してしまう人も少なくありません。快適な春から酷暑の夏へという季節の変化に加え、1日の中での気温や湿度の変化に体が順応できず、だるさや食欲不振、不眠などの不調を感じる「夏バテ」。リモートワークの広がりなどにより、通勤・通学のなかで運動習慣をキープしていた人の運動する機会が減り、体調を崩す例も耳にします。夏バテへの対処法をナビタスクリニック新宿院長の濱木珠恵先生にお聞きしました。

夏バテを招きやすい生活習慣チェック

日頃の生活習慣を思い浮かべ、次の中から自分に当てはまるものをチェックしてみましょう。

夏バテしやすい生活習慣チェック

【チェックの数による目安】

  • 0~3個:生活習慣に大きな問題なし。チェックがついた項目は改善。軽いうちにケアを
  • 4~7個:知らず知らずの間に体の不調が蓄積しています
  • 8~10個:あなたの体は悲鳴を上げているはず。今すぐチェックのついた習慣を改めましょう

いかがでしたか。ここに挙げた項目は、夏バテにつながりかねない生活習慣の例です。チェックがついてしまった項目は、できるだけ改善していきたいものです。では、なぜ、こういった何気なく行っている習慣が、夏バテを招くのか、みていきたいと思います。

夏バテの原因は暑さだけじゃない

だるい、食欲がない、眠れない……。夏バテは、気温や湿度の変化に対して体がうまく順応できず、バランスのいい状態が保てないために起こります。

暑さで体力が消耗する上、冷房がきいた屋内との温度差のギャップもあります。さらに、春から夏にかけての気温の急激な変化も要因でしょう。最近は、暑さに対して体の準備ができていないうちに猛暑がやってくることも増えました。加えてリモートワークの拡大など社会環境の変化で、これまで通勤や通学で歩いていたりジムに通ったりして運動習慣をキープしていたけれど、運動の機会が減ってしまったという人も多いのではないでしょうか。

汗をかいて環境の変化に備える、徐々に気温が高くなっていくという、これまで自然にできていたことや、気づかないうちにしているはずの準備ができないというダブルパンチで、夏バテに悩む人が増えているのかもしれません。

夏バテ対策のための6つの心得

屋外の気温や湿度を下げることはできませんが、ちょっとした生活習慣の見直しで、夏バテのリスクを減らすことは可能です。どこに注意すればいいのかみていきましょう。

心得1 いろいろなものを食べましょう

食べやすいからと、そうめんだけ、おにぎりだけ、菓子パンだけという食生活になると、ビタミン類を摂りにくくなります。たんぱく質やビタミン類、汗で排出されやすくなるミネラルをバランスよく摂れる食品を選びましょう。しかし、肉類をしっかり摂ろうとしても、夏バテしてしまった人には難しいと思います。特定の食品を摂ることではなく、果物や野菜、たんぱく質なら例えば冷ややっこや枝豆を加えるなど、いろいろな種類の食品を摂ることを意識してみてください。

心得2 水分をしっかり摂る

熱中症対策としても水分を摂ることは大切ですが、水分を適切に摂らず体内の水分が減ると、血流が悪くなり末梢まで血液が回らず体が冷えてしまいます。手足が冷たくなったり、口の中が乾いて唾液が出にくくなったりした場合は脱水状態の可能性がありますので、適度な水分補給を心がけましょう。ただし暑いからといって、冷たいジュースや炭酸飲料などを飲みすぎると、胃腸を刺激して負担がかかりますので、水や甘くないお茶類、コーヒーなど、常温や温かい飲み物も取り入れましょう。

心得3 涼しい部屋の中で、ちょっとした運動を

冷房を我慢したり、無理に暑いところに出ていったりする必要はありません。熱中症対策のためにも、冷房を上手につかって涼しく過ごすことは大事なのですが、冷房のきいた部屋でじっと動かずにいると、体が冷えすぎて筋肉がこわばったり、代謝が悪くなったりすることがあります。また、冷えで胃腸の働きが悪くなると栄養が摂りにくくなり、食欲が出ないことも増えます。そうなると体が疲れやすくなり、ますます食べられなくなってバテる、という悪循環に陥ってしまうのです。短時間外に出たり、涼しい部屋の中で軽い運動をしたりするなど、少し汗をかくことをおすすめします。

心得4 自分にとって心地いい室温の中で眠る

しっかり眠ることも大切です。寝入りばなに、深い睡眠に入れるかどうかで熟睡感が変わります。入眠最初の2~3時間が肝。ここできちんと眠りに入れればよいのですが、寝るときに冷房を切ってしまったり、寝室が快適な温度になっていなかったりすると、睡眠に影響します。冷房が苦手であれば、隣の部屋でエアコンをかけて扇風機で風を送る、冷房が苦手でなければ、エアコンと羽毛布団を組み合わせてもよいと思います。まずはしっかり睡眠をとるための工夫をしてみてほしいと思います。

心得5 服装は温度調節のしやすさを意識する

衣類は、汗が乾きやすい、通気性のよい素材がおすすめです。屋内ではちょっと羽織るものがあると便利でしょう。重ね着しておいて、暑ければ1枚脱ぐ、涼しくなれば1枚羽織るなど、温度調節ができる状態であればよいと思います。

心得6 入浴は就寝の1時間前に済ませておく

時間があれば湯船につかってください。時間がなければ普段はシャワーで、2~3日に1回湯船につかるのでもよいでしょう。湯温が熱すぎると交感神経が刺激されて逆に目がさえてしまうので、少しぬるめのお風呂にゆったり入って、副交感神経を優位にしておきます。お風呂から上がったあと、体温が少し下がってくるときに眠気が出てくるため、就寝の1時間前ぐらいに入浴して、体の芯が落ち着いてくるころに眠るのがよいといわれています。

暑い時期を過ぎてから夏の疲れが出てくることはありますが、涼しくなって1カ月近くたっても、だるさが続いたり、体が動かないと感じたり、きちんと休んでいるのに疲れが取れないなどの症状があったら、夏バテではなく、違う病気が隠れているのかもしれません。涼しくなっても夏バテのような症状が続いてしまう場合は、医療機関に相談するのをおすすめします。なお、女性の場合は、貧血や甲状腺機能の低下などの可能性もあるため、よく夏バテをしてしまう人は、貧血のチェックをしてみるのもよいでしょう。

監修者プロフィール
濱木珠恵先生(ナビタスクリニック新宿院長)

【濱木珠恵先生(はまき たまえ)先生プロフィール】

ナビタスクリニック新宿院長
北海道大学卒業。国際医療センター研修後、虎の門病院、国立がんセンター中央病院にて造血幹細胞移植の臨床研究を行う。都立府中病院、都立墨東病院を経て、2016年より現職。専門は内科、血液内科。貧血外来や女性内科などで、通勤・通学女性の健康をサポート。

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