睡眠・休息・メンタルケア
不眠がラクになるツボ
監修/邱淑恵(キュー・スーエ)先生
暑い日が続き、夜、なかなか眠れなかったり、夜中に起きてしまうという人もいるのではないでしょうか。そんな時にも、手軽に押せるツボが役に立ちます。
不眠はなぜおきる?
床についている時間は長いのに十分な睡眠がとれず、昼間の眠気や脱力感のある状態が不眠です。不眠には、暑さ寒さや部屋の明るさなどの環境的要因や、悩みごとやイライラなどの精神的要因、また痛みやかゆみなどの身体的要因、さらにコーヒーなどのカフェインやアルコールといったさまざまな要因があります。また、体温が下がると眠くなりますが、暑い時期にエアコンの効いた部屋に長くいると体温の調節ができにくくなり、なかなか体温が下がらないことも不眠につながります。
不眠を放っておくと?
不眠があるとうつ病発症のリスクが高まることや、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームの発症率と関係があることがわかっています。また、日中の眠気による集中力の低下や交通事故などの危険もあり、早めの改善が必要です。
失眠穴(しつみんけつ)
たかぶった神経を落ち着かせて眠気を誘うのが「失眠穴」のツボ。目がさえて、なかなか寝つけない時は、あせらず、このツボを刺激して。
場所 |
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足の裏側、かかとの中央の少しへこんだところにあるあるツボ。 |
押し方 |
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イスに座って片手で足首を持ち、反対側の手で握りこぶしを作って「失眠穴」を20回程度、ゆっくりたたきます。また、両ひざを立てて、かかとをゆっくり布団にすりつけるようにするのも効果的です。 |
丹田(たんでん)
寝つきが悪いのは、交感神経が活発に働いているから。そんな時は興奮した気持ちを「丹田」に下ろすことで、心と体が落ち着いてきます。
場所 |
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おへその下3~5cmあたりにある場所に位置するツボ。 |
押し方 |
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あぐらをかき、両手のひらを重ねて(女性は右手を下、男性は左手を下)「丹田」の上に置き、リラックスします。その後、目を閉じて「丹田」に精神を集中させ、ゆっくりと呼吸します。 |
監修/邱淑恵(キュー・スーエ)先生
中国健康コンサルタント。1949年台湾生まれ。中国台湾省栄民総医院鍼灸ハリセンターで中国ハリを学んだ後、来日。ツボ、ハリ、漢方を習得する。著書多数。
● ツボ道場 http://www.tubodojo.com/
イラスト/堀川直子