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食事を変えて手軽にやせる?気をつけたい「糖質制限」

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血糖値を下げるツボ

「糖質制限ダイエット」という言葉を聞いたことはありませんか?これは、低炭水化物ダイエット、あるいはローカーボダイエット(略して「ロカボ」)とも呼ばれる、食事制限によるダイエット法です。
ここ数年で急速に広まったダイエット法ですが、そもそも「糖質制限ダイエット」とはどのようなダイエット法かご存知でしょうか。

知っていますか? 「糖質制限ダイエット」の起源

糖質制限ダイエットは元々、糖尿病の方や肥満の方に向けたダイエット法として考案されました。1970年代にアメリカ人医師(ロバート・アトキンス:循環器科の医師)が自らの著書の中で「肥満の原因は炭水化物である」と説き、日常の食事から炭水化物を極力排除することで、糖尿病患者向けに肥満を解消するというダイエット法、「アトキンスダイエット」を提唱したことが起源です。
日本では、2013年に日本糖尿病学会が公表した『糖尿病における現状と課題』の中で、糖尿病患者の食事療法において、糖質だけではなく、カロリーや脂質の摂取量も検討することが推奨されています。現在は、糖尿病患者だけではなく、健康な方が、より美しくなるためのダイエット法として注目されています。
本来は「炭水化物を控えるダイエット法」なのですが、実際にトライした結果、必要以上に糖質を制限し、必要なカロリーが摂取できない、あるいは好きな食べ物を我慢し過ぎてしまう、という人もいるようです。
糖質は体のエネルギー源ですから、必要以上に糖質を制限したり、必要摂取カロリーを下げ過ぎてしまうと、活動するための「元気」が無くなってしまい、健康を損なう恐れがあります。そのため、自らの体調を考慮し、身体と相談しながら実践することが大事です。

「糖質制限ダイエット」を糖尿病の人が実践したら・・・?

糖質(=炭水化物)制限ダイエットでは、普段の食事の中で、例えば「おかずは好きなだけ食べて、ご飯は抜く」、あるいは「おかずは鶏肉がメイン、穀類や豆類は食べない」など、いつもとは少しだけメニューを変えればいいように見えます。具体的な1日のメニューでみてみましょう。

例として、現在の日本で推奨される糖尿病の方の食事、1日1600kcal程度で考えてみます。これをバランス良く摂る場合、1日あたりの炭水化物の摂取量はおよそ半分、800kcal程度まで摂ることができます。例えば
● 朝食:食パンを4枚切1枚または8枚切2枚 ⇒およそ240kcal
● 昼食:白米を150g(小さめのお茶碗1杯)、煮物としてのカボチャ小2切れ ⇒およそ300kcal
● 夕食:白米を150g(小さめのお茶碗1杯)、煮物に含まれる芋1個 ⇒およそ260kcal

これくらいが、1日の炭水化物摂取量の目安となります。

しかし、糖質制限ダイエット法に従うと、このうち食べてもよいのは1回分の主食のみです。他の2回は主食を抜き、おかずの中には穀類、豆類、砂糖などを入れません。果物も場合によっては食べないことになります。

ご紹介した食事例は糖尿病の患者さんを想定していますが、健康な方がこのような食事を続けると身体はどうなるのでしょうか。
毎日、糖質を制限しながら、脂質やカロリーを気にせず食べていると、脂質やカロリーの摂り過ぎによる肥満や動脈硬化などの原因になります。「糖質制限」だけに注目し、逆にカロリー過多になることもあるため、糖質だけではなく、栄養バランスの良さも重視しましょう。

ダイエットをしながら健康で元気な毎日を送るために

「厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」の中で、食事から摂取する栄養素のバランスについて、総カロリーのうち炭水化物を50~65%、たんぱく質を13~20%、脂質を20~30%」とすることを推奨しています。これらはあくまでも目安ですが、やり過ぎる糖質制限ダイエットでは、糖質(=炭水化物)は10%以下程度になってしまうのです。

健康で元気な毎日を送るために糖質を制限するなら、例えば
● ご飯(白米)をいつもの半分程度にする
● パンを食べる時は、一緒に少し多めの葉物野菜も食べる
● 焼き芋を食べたら、その日は穀類、豆類、果物、砂糖のいずれかを控える
など、「炭水化物を少し控えてみよう」という考え方で、今の自分の体調と相談しながら、無理なく続けていけるダイエットを目指しましょう。

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