????

特集(季節のテーマ)

急な発熱や突然のケガに、どう対処? 救急時の心得

印刷する

監修/久野将宗先生(日本医科大学多摩永山病院救命救急センター医局長)

「子供がケガをしてどうしたらよいかわからない」「なんだか様子がおかしいけれど救急車を呼ぶべきだろうか?」などと困った経験はありませんか。いざというときのために知っておきたい救急知識を、日本医科大学多摩永山病院救命救急センター医局長・久野将宗先生にお聞きしました。

こんなときは救急車を呼ぼう

一口に救急といっても、子供のやけどやケガ、高齢者の窒息や肺炎など、多種多様な症状があり、緊急性もさまざまです。症状によっては、速やかに専門の医療機関で適切な治療ができるかどうかで、命が助かるだけではなく、後遺症の重さも大きく変わってくる可能性があります。

久野先生によると、特に緊急性が高い病気は主に次の2つ。以下のような症状が出たら、ただちに救急車を呼びましょう。

(1)脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
脳梗塞・脳出血の症状:片方の腕や足に力が入らなくなる/しびれる/顔の半分が歪んだり動きにくくなったりする/水を飲むとこぼす/ろれつが回らない、など くも膜下出血の症状:経験したことがないような激しい頭痛が突然起こる

(2)急性心筋梗塞
症状:圧迫されるような胸の痛みが持続する/急な息切れ/呼吸困難など
※高齢者や糖尿病を合併している人は、痛みを感じにくくなっていることもあるので、特に注意が必要。

その他、以下のような症状が見られる場合も、ためらわずに119番に連絡して救急車を呼びましょう。

<大人の場合>

<子供(15歳未満)の場合>

(総務省消防庁HPを基に作成)

いざというときの応急手当

突然の事故や病気の際は、救急隊が来るまでの間、そばに居合わせた人の応急手当が命運を左右することもあります。緊急時の手当の方法を知っておきましょう。

[1]人が倒れていて、反応がないとき(心肺蘇生法)

①倒れている人を発見したら、肩を叩き「わかりますか!」と呼びかけ、返事があるか、意識があるかを確認する。反応がない場合は大声で近くの人に協力を依頼し、119番通報とAED(自動体外式除細動器)を手配してもらう。

※協力者がいない、AEDがない、AEDの設置場所がわからないなどの場合は、119番通報をして、以下の②と③を行う。

②AEDを待つ間に、倒れている人の胸とおなかの動きを見て、呼吸の状態を確認。胸とおなかの動きがなければ、普段どおりの呼吸がないと判断して胸骨圧迫を行う。(※)

③胸骨圧迫を行う。イラストのように胸の中央に手を重ね、少なくとも5cm沈む程度の強さ(成人の場合)で圧迫する。1分間に100回程度のテンポで繰り返す。

④AEDの電源ボタンを押し、電極パッドを胸に貼り、音声メッセージに従って操作する。救急隊に引き継ぐまで、胸骨圧迫とAEDを繰り返す。AEDがない場合は、胸骨圧迫を行いながら救急車の到着を待つ。

(※)反応はないが呼吸がある場合は、嘔吐物がのどに詰まったり、舌がのどに落ち込んで気道をふさいだりする可能性があるので、回復体位にする。横向きに寝かせ、上側の膝を約90度に曲げる。上側の手をあごの下に入れ、下あごを前に出して気道を確保する。

[2]窒息したとき

親指と人差し指でのどをつかむ仕草は窒息のサインと言われています。このサインを見逃さないようにします。

●呼びかけに反応がある場合

①「腹部突き上げ法」で異物を除去する。

②効果がなければ「背部叩打法」を試す(妊婦や乳児は背部叩打法のみ)。

(腹部突き上げ法)
患者の後ろ側からウエスト付近に手を回し、一方の手でヘソの位置を確認します。もう一方の手で握りこぶしを作り、親指側を患者のヘソの上方、みぞおちより十分下に当て、ヘソを確認した手でも握りこぶしを握り、すばやく手前上方へ動かして、みぞおちのあたりを圧迫するように突き上げます。

(背部叩打法)
患者の後ろ側から、手のひらの基部で左右の肩甲骨の中間あたりを力強く何度も叩きます。

小児や妊婦など、腹部突き上げ法ができない場合は、胸部突き上げ法(胸骨の下半分をこぶしで突き上げる方法)と背部叩打法を併用します。1歳未満の乳児の場合は、乳児を腕に乗せて、胸部突き上げ法と背部叩打法を行います。

●呼びかけに反応がない場合

[1]の心肺蘇生法を行う。

[3]出血しているとき

出血している部分に、傷口を完全に覆う大きさのガーゼや清潔な布を当てて、手や包帯で強く圧迫する。

[4]スポーツ外傷(捻挫など)のとき

①患部の出血や腫れ、痛みを防ぐことを目的に患部を安静(Rest)にする。

②氷で冷却(Icing)する。

③弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)する。

④患部を心臓よりも高い位置に挙上する(Elevation)。

※処置の頭文字をとってRICE処置と呼ばれる。

[5]やけどをした場合

①できるだけ速やかに、流水や氷、保冷剤などで冷やす。広範囲のやけどの場合はシャワーなどを使う。

②痛みがなくなるまで15〜30分冷やし続けるのが目安。広範囲のやけどの場合や子供の場合は、体が冷えすぎないように注意する。例えば、本人が寒がるようであれば、流水やシャワーで広範囲を冷やす代わりに、やけどの部分に限定して氷を当てることなどを検討する。

やけどは、範囲が広くて深いほど重傷となります。一つの目安として、やけどの面積が体表面積の15〜20%以上の場合には入院治療が必要です。体表面積を知るための簡便な計算方法として「9の法則」があり、頭が9%、胴体の前面・後面が9の2倍の18%、片腕9%の両方で18%、脚は片方で18%と計算します。

119番通報に迷うときの相談窓口を知っておこう

いざというときに、本当に救急車を呼ぶべきなのか、自分で判断するのは難しいものです。そんなときのために、救急相談窓口が一部の地域で展開されています(自治体が開設)。♯7119に電話をかけると、専門家からアドバイスを受けることができます。緊急性が高いと判断された場合には救急車の出動を要請し、緊急性が低い場合は応急手当の相談や医療機関の情報提供などに応じます。

♯7119以外の番号で対応している地域もありますので、お住まいの地域に相談窓口があるかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

救急相談窓口(♯7119)が開設されている自治体(2019年12月1日現在)

救急相談窓口(♯7119)が開設されている自治体

また、消防庁の『全国版救急受診ガイド「Q助」』(https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate003.html)では、該当する症状や状態を画面上で選択していくことで、緊急性の度合いを判断することができます(Web版・スマホ版あり。スマホ版は『全国版救急受診アプリ「Q助」』)。スマホにアプリをダウンロードしておくなど、平時に一度試しておくと安心です。

突然の事故や病気が発生してしまった場合は、勇気を持って命をつなぐ行動を行うことが求められます。日頃から知識を持って備えておきましょう。

監修者プロフィール
監修/久野将宗先生(日本医科大学多摩永山病院救命救急センター医局長)

【久野将宗(くのまさむね)先生プロフィール】

日本医科大学多摩永山病院救命救急センター医局長・病院講師。1998年日本医科大学卒業。日本医科大学附属病院高度救命救急センター、日本医科大学千葉北総病院、会津中央病院等を経て2002年より日本医科大学多摩永山病院救命救急センター。2009年医局長、2011年病院講師。日本救急医学会指導医。東京都医師会として東日本大震災、災害派遣医療チーム(DMAT)として常総水害に赴いた他、NGO災害人道医療支援会(HuMA)会員として西日本豪雨災害、熊本地震の被災地で災害医療活動を行った。

サワイ健康推進課公式Twitter

この記事はお役に立ちましたか?

関連記事はこちら 関連記事はこちら

クリップ一覧に保存しました。